忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

書評のための本の選び方

突然だが、私の場合、書評を前提として本を選ぶとき、その選び方には2つのパターンがあるように思う。

 一つは、話題になっていない本を選ぶパターン。これは純粋に自分が読みたい本であったり、書評を通じてより多くの人に読んでもらいたいから、という理由で選ぶことが多い。自分の好きな作家、好きなジャンル、ビビッときたタイトル。そういったものが基準となっている。

 だが、このような本の選び方にはある問題が存在する。

 その問題とは、自分以外の書評の数が少ない、ということである。

 これがなぜ問題なのかの説明のために、もう一度、当ブログの目的を確認したい。当ブログの目的は以下の3つである。

 「読書力の向上」
 「文章力の向上」
 「アフィリエイト」

 この「読書力の向上」が今回のポイントとなる。読書力とは、本を読むことを通して自身をより良くするための力や、その効率の良さ、といったものである。つまり、読むスピードや、量、そして、読みの深さが大きく関わってくる。

 ここで読むスピードや量は絶対的な値として捉えられ、力を養うための目標が立てやすかったり、今の力がどの程度なのかを確認が容易である。例えば、読む量を増やしたい場合、先月10冊の本を読んだのなら、今月は少なくとも11冊は読んでおきたい(簡単のためここでは内容の難解さやページ数を無視する)、といった具合である。

 ところが、読みの深さ。これを絶対的に測ることは難しい。

 そこで有効になる一つの手段が「自分の書評と他者の書評との比較」である。比較によって、「この本には、こんな解釈もあったのか」「あそこのあの台詞には、そんな意味も隠されていたのか」と自分にはできなかった読み方を知ることができる。つまり、書評の比較によって、自分になかったものを取り込むことができるのだ。言うまでもなく、より多量、より多様な書評が存在すれば、取り込める量も増加する。

 したがって、「読書力の向上」を目的とするのであれば、書評の数が少ない本は不適だと言える。これが「話題になっていない本を選ぶ」ときに起こる問題である。

 この問題を解決するための本選びが二つ目のパターンだ。これには書店によくおいてある「本の紹介パンフレット」等を使う。「夏の100冊」とかそんなタイトルのついた冊子である。

 多量多様に書評された本となれば、圧倒的に「文学作品」とされる本が有利である。例えば、芥川龍之介さんや太宰治さんの作品だ。こういう作品を選べば、質の良い書評に出会う割合も高くなるのでは、と思ったりもする。

 しかし、私は文学とはほど遠い人間で、それに関する知識はほとんど小中学生の状態が保存されているに等しい。そんな状態で、膨大な数の作品から書評するものを選んでいくというのは、なかなか無謀のように思う。

 そこで活躍してくれるのが、先ほど紹介した「パンフレット」である。

 パンフレットで紹介されている本は100冊前後。更にその中から「文学作品」とされるものは一握りである。これなら私のような人間でも迷わずに選べる。本を愛してやまない人にとっては、このような選び方はネガティブなように思われるかもしれない。しかし、こうすることで、確実に良いとされる作品に出会うことができるのだ。


 以上のように現在私は、「楽しむための本」「成長のための本」の2種類を、それぞれの方法で選び、読んでいる。

 おかげで、片足は楽しい世界に踏み込みつつ、もう一方は未知の世界を踏みしめている。非常に刺激的な状況である。
PR