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【11冊目】『情報は1冊のノートにまとめなさい』/出会わないテクニック



 今回紹介するのは、奥野宣之『情報は1冊のノートにまとめなさい』である。

 実は、同著者の『読書は1冊のノートにまとまなさい』を続編と知らず先に読んでしまったので、その内容の補完のため本書を読んだ、というのが読むに至った経緯である。

 何故、わざわざシリーズを遡ってまで読んだのか。

 それは単純に『読書は〜』に使えるテクニックがいくつも紹介されていたからである。

 そのシリーズである『情報は〜』にもよいテクニックが紹介されているのではないか、と思ったわけである。

 私にとってはそれくらい良書だったのだ。

 中でも、最も画期的だったのは「探書リスト作成」である。

 これは『情報は〜』、『読書は〜』の両方で紹介されている。当然ながら、後者は改良版となっており、テクニックに若干の差異がある。

 「探書リスト作成」とは、「無駄な読書を減らす術」である。

 皆さんにはこういった経験がないだろうか。


 たまたま近くを通りかかったので書店へ立ち寄ってみた。もちろん、買う予定の本など無い。

 とりあえず、雑誌の新刊が出ていないかチェックしてみよう、と店の中を少し巡る。

 すると視界に飛び込んでくる様々な宣伝やポップ

 気が付けば、本を手に取り、帯や『はじめに』、目次等に目を通してしまっている。

 そのまま、「良い本見つけたな〜」と思いレジへ・・・

 
 本の衝動買いである。

 勿論、これで良書と出会う可能性もあるが、実際のところ、それは非常に稀なケースである。

 「探書リスト作成」はそのような、読む必要のない本との出会いを減らしてくれるのだ。

 このテクニックを知るまで、私は無駄な本をたくさん読んできたように思う。

 では、なぜ、良書でも無いものを衝動買いしてしまうのか。そして、それを繰り返してしまうのか。

 それは、売り方の巧妙さにある。

 書籍業界の人間は、その本が良書であろうと無かろうと、食っていくために本を売る必要がある。

 そのような業界で、売り方の巧妙さが増すのは自然である。

 この問題は、後日当ブログで紹介するショウペンハウエル『読書について』でも取り上げられている。

 ちなみにショウペンハウエルの『読書について』は150年程前に書かれたものである。そのような時代からこの問題はあったのだ。

 このような一種のマインドコントロールのような戦術に対応するのが、「探書リスト作成」なのである。

 宣伝ポップが生み出す衝動性を極力減らし、明確な目的を持って本を購入するのである。

 テクニックの詳細については、是非、本を手にとって読んでもらいたい。

 私は探書リストのおかげで本選びにおいて後悔が少なくなった

 余談だが、著者の探書リスト作成法では、専ら紙を使っているが、私は面倒なのでEverNoteを使用している。


 さて、『情報は1冊のノートにまとまなさい』を読んで、心に響いた一文を紹介しよう。

”忙しいときほど暇なときにやるべきことを思いつき、遊んでいるときほど仕事につながるアイデアを考えつく”(p.122)

 確かにそうである。

 いったい何故だろうか。

 「忙しいときほど暇なときにやるべきことを思いつ」くのは、恐らく、喉が渇けば、飲みたいものが頭に浮かぶのと同じことだろう。

 忙しいから暇が欲しくなる。暇が欲しいと、その暇がどんなものか想像(妄想)したくなる。

 「遊んでいるときほど仕事につながるアイデアを考えつく」のは、かなり一般的に知られていることだ。

 アイデアを捻り出すため、机にへばりついていたが思いつかず、気分転換に散歩に出掛けると、あっさり解決した。

 よく聞く話である。

 つまり、創造にはある程度のリラックスが必要なのだ。

 ここでポイントは思いついたことはメモした方がよい、ということである。

 パッと浮かんだアイデアほどパッと消えるからだ。

 これは記憶に留めたり、思い出すための脈略がないためだろう。

”忙しいときほど暇なときにやるべきことを思いつき、遊んでいるときほど仕事につながるアイデアを考えつく”

 このように普段から軽く身構えて置けば、仕事も遊びもアイデア豊富な充実した生活が送れるかもしれない。


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